馬喰一代 (1951)

原作は中山正男。成澤昌茂と木村恵吾のコンビにより脚色、木村恵吾の監督作品。撮影は峰重義。

監督: 木村恵吾
出演:三船敏郎、京マチ子、志村喬、菅井一郎、市川春代、星光、杉狂児、光岡龍三郎、小杉義男、水原洋一

馬喰一代 (1951)のストーリー

昭和五年の秋の北海道北見高原を十数頭の馬を追って行く二人の男があった。今しも一頭の馬が軍を離れて凄い勢いで突っ走り始めた。それを追って巧みな投縄で引きとめた一人の男は馬喰仲間でも「北海の虎」と異名をとった乱暴男の片山米太郎(三船敏郎)だった。その日の馬市で彼は馬を売払って相棒の鳥取太郎(光岡龍太郎)と共に久しぶりで相当の金を懐にしたが、これをねらっていた元馬喰、いまは高利貸になった小坂六太郎(志村喬)は、米太郎を賭博にさそって、小料理「桃代」ですっかりその金をまきあげてしまった。「桃代」の酌婦ゆき(京マチ子)は六太郎の誘いにもなびかず、ひたすら米太郎を想っていたが、彼には家にはるの(市川春代)という従順な女房と大平(伊庭輝夫)という可愛い倅があったので、会えば借金を催促されるゆきをひたすら敬遠していた。賭博で金をすった米太郎は病気のはるのの薬も買えない有様だったが冬になって例年の如く山仕事に出稼ぎしていたときはるのの危篤で呼び戻された。はるのの遺言通り米太郎は賭博と喧嘩を断って大平とはるのの貯金で飼った駿馬ミノルの成育をたのしみに苦しい生活を続けていた。その大平は早や小学校の六年生になり、学校の成績も抜群で、札幌の中学校へ入学したい志望だった。米太郎は大平も馬喰にするつもりだったがゆきや六太郎のすすめでミノルを北見競馬に出場させ、大平の学資を得ようとした。ミノルは見事優勝したが、無理な競争がたたってその場で死んでしまった。頭髪に霜を置きめっきり弱った父を置いて行くことに大平は後髪をひかれる思いだったが、ついに心のとどいたゆきが米太郎の面倒を見ることになり、大平も父にはげまされて札幌へと旅立って行った。

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