醜聞 スキャンダル (1950)

全くの偶然の瞬間が多くの人々に誤り伝えられ、ある人間はこれを故意に曲解して飛んだ醜聞が拡がって行くというメロドラマ。監督は黒澤明、脚本は黒澤明と菊島隆三が共同で書いた。カメラは生方敏夫、美術は浜田辰雄、音楽は早坂文雄がせれぞれ担当。

監督:黒澤明
出演:三船敏郎、山口淑子、志村喬、桂木洋子、千石規子、小沢栄太郎、千秋実

醜聞 スキャンダル (1950)のストーリー

新進画家の青江一郎(三船敏郎)は、オートバイクを飛ばして伊豆の山々を描きに来ていた。3人の木樵は彼の絵を不思議そうに眺めている。そこに人気声楽家の西條美也子(山口淑子)が現れ、宿が同じだと分かると、美也子を後ろに乗せて宿へ向かった。青江は美也子の部屋を訪ね、談笑していたが、そこを雑誌社「アムール」のカメラマンが隠し撮りし、嘘の熱愛記事を書かれてしまう。

雑誌は飛ぶように売れ、街頭で大々的に宣伝された。これに憤慨した青江はアムール社へ乗り込んで編集長・堀(小沢栄太郎)を殴り倒し、騒ぎは更に大きくなってしまう。青江はついに雑誌社を告訴することにし、そこへ蛭田(志村喬)と名乗る弁護士が売り込みに来る。翌日、素性を確かめるために蛭田の家を訪ねた青江は、結核で寝たきりの娘の面倒を見る 蛭田の姿に感動し、蛭田に弁護を依頼する。しかし、病気の娘を抱えるも金のない蛭田は10万円の小切手で堀に買収されてしまう。

裁判が始まるも、買収された蛭田の弁護はしどろもどろで、法曹界の重鎮・片岡博士(青山杉作)を弁護人にたてた被告側が圧倒的に有利だった。2回3回と公判が進むも、蛭田は言わねばならない証言でも押し黙り、4回目の公判で木樵が原告側の証人として立つも、勝ち目はなかった。青江は蛭田の不正を疑ったが口にはしなかった。そんな中、父親の不正を察知し心を痛めていた蛭田の娘(桂木洋子)が青江の勝利を叫びながら亡くなった。最終の公判の日、青江側の敗訴が決定的になる寸前、蛭田は自ら証人台に立ち、10万円の小切手を出して自らと被告人の不正を告白する。これが決め手となって片岡博士は敗訴を認め、原告側の勝利となった。記者団の前で青江は「僕たちは今、お星様が生まれるのを見たんだ」と語った。

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