愛情の決算 (1956)

『別冊文芸春秋』所載の今日出海の小説『この十年』を井手俊郎が脚色し、佐分利信が監督、主演。山田一夫が撮影を担当した。

監督:佐分利信
出演:佐分利信、原節子、三船敏郎、八千草薫、小林桂樹、田中春雄、藤間紫、南美江、賀原夏子

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愛情の決算 (1956)のストーリー

昭和二十一年の夏、楢崎(佐分利信)、大平(三船敏郎)、木原(田中春男)、東郷(堺左千夫)の四人が彼等の戦友で、比島で死んだ田口の未亡人勝子(原節子)の家に一周忌のために集った。勝子には六歳の弘があった。その年の暮に雑誌社に務めていた楢崎は勝子と結婚した。楢崎、勝子、弘の三人の団欒は楢崎の戦友の吉野(千葉一郎)が和歌山の田舎から妻子四人をつれて転がりこんできたことから破れてしまった。そのうちに楢崎は脚の怪我がもとで失職してしまい、勝子は大平の世話で丸の内の劇場の売店に務めることになった。大学を出て新聞社に務めるようになった大平は勝子をひそかに恋するようになった。

二十五年の秋に戦友達はまた会合した。武内(小林桂樹)は特需ブームで巨万の富をもつようになっていた。武内は家に戦災孤児の朝子(八千草薫)を引きとっていた。武内の紹介で楢崎は倉庫会社に職を見つけることが出来た。吉野も武内の世話で仕事を得、楢崎の家を出て行った。ある夜大平は勝子に愛情を告白した。夫の愛情に不満を持つ勝子は大平のひたむきな愛憎に抗しきれず二人は結ばれた。大平は楢崎を会社に訪れ、勝子とのことを打ち明けた。楢崎は勝子にもう一度はじめからやり直そうというだけだった。

また五年たち、武内は美しい娘に生長した朝子と結婚した。その頃、勝子は五年前に勤めをやめてから会わなかった大平に再会した。二人の情熱は再び燃えあがった。哀れみから結婚した楢崎との家庭生活は勝子には耐えられなかった。勝子の心を知る楢崎は折角親子三人の静な暮しを破りたくなかった。しかし、「何もなかったことにして出直そう」という夫の言葉にも勝子の決心はゆるがなかった。彼女は弘を楢崎のもとに残して家を出て行った。

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