暗黒街 (1956)

菊島隆三の原案を共同脚色者の一人、若尾徳平が脚色し、山本嘉次郎が監督、遠藤精一が撮影を担当した。

監督:山本嘉次郎
出演:鶴田浩二、三船敏郎、志村喬、小泉博、青山京子、根岸明美、宮口精二

暗黒街 (1956)のストーリー

心臓が悪いため、病院で人間ドックの御厄介になっていた古谷組のボス古谷恒次郎(志村喬)が自宅に戻って、六郷の鉄、岡部、庄司らの乾分と退院祝いの最中、突然苦しみ出し、「病院の河野先生を呼べ!」とわめくので、庄司(鶴田浩二)が迎えに行くと、相手は意外にも河野弓子(青山京子)というインターンの女子医学生だった。庄司は古谷組の新顔だが頭のよさで忽ち兄貴株にのし上った男で、古谷の信頼も厚く、キャバレーの経営を任されている。古参の鉄(杉山昌三九)や岡部(宮口精二)にしてみれば、庄司が憎らしくてならず、折があったらやっつけようと機会を狙っているのである。庄司はある日、往診に来た弓子を古谷の自動車で鎌倉まで送ることになったが、弓子が欲しいと思っているレントゲンの機械を買えないと歎くので、大いに同情した。鉄は庄司が古谷の妾、夏江(根岸明美)と関係があるのを嗅ぎつけ、「親分の女に手を出すと承知しねえぞ」と凄味をきかせるが、当の夏江は一向平気で、庄司から五万円の金策を頼まれると二つ返事で引き受け、古谷からせびり取って来るのだった。庄司はそれを弓子に融通したが、二人の仲を疑った夏江の嫉妬から庄司は鉄の拳銃で撃たれ、古谷組に担ぎ込まれた。古谷は弓子に重傷の庄司の手当を命じ、二人を一室に監禁してしまった。だが、古谷が突然卒倒したどさくさまぎれに庄司は弓子を逃がしてやり、最後の力を振りしぼって110番の警察電話を呼び出すのだった。一夜が明けて、警察病院のベッドに身を横たえている庄司を見舞った熊田捜査主任(三船敏郎)は、「弓子は許婚の鈴木と郷里へ帰ったが、お前によろしくいっていたよ」と告げた。古谷組が解散になったことも、庄司はそのとき初めて知ったのである。

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